川崎医療短期大学 創立50周年記念誌
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17 1976(昭和51)年3月に現・文部科学省放射線医学総合研究所(放医研)から赴任し、1977(昭和52)年3月までの1年間は、川﨑明德副理事長(当時)とともに学科開設準備に携わりました。当時の文部省(霞ヶ関)との交渉は、大変厳しかったと記憶しています。しかし、前職場であった慶応義塾大学・慶応義塾大学病院や放医研の応援もあり、無事放射線技術科を開設することができました。 放射線技術科は、1977(昭和52)年4月、医療秘書科とともに開設され、既設の第一看護科、第二看護科、臨床検査科とともに医療技術者の養成を目的としていました。本学科の大きな特長は、従来の医療技術者系養成機関ではみられない、5学科が連携した総合性の利点を教育に取り入れ、総合医療短期大学としての養成教育を行っている点でした。放射線技術科のカリキュラムや特徴については以下の4点に整理することができます。1一般教養科目は従来の大学教育における一般教育のあり方を改良し、人文科学や社会科学を3か年一貫したカリキュラムで行い、自然科学系は専門科目に少しでも早く直結すべく、1年次の前期に履修させた。2専門教育は基礎医学・生物学・基礎理工学・放射線専門技術および卒業研究からなる。すなわち、利用される各種放射線を十分理解し、これを応用できる理工・生物学および医学的な基礎知識の上に、近代化された放射線医学の分野において十分に活用できる放射線専門技術の習得を目指した。3専任教員は教授3名(臨床医学2、電磁気学1)、助教授2名(放射線物理学1、放射線計測学1)、講師2名(X線撮影技術・設備1、放射線管理・RI検査学1)、助手2名(電気工学1、放射化学1)の計9名でスタートした。4臨床実習については、学内教育のほとんどのカリキュラムは、2年次前期までに履修させ、2年次後期から小グループ編成で臨床実習(川崎医科大学附属病院、附属川崎病院にて)を開始した。臨床実習では、優秀な病院実習指導教員のもとで最新鋭の装置を用い、放射線領域の各専門分野の技術を徹底的に学ばせた。実習期間も約1年間と、他校の2倍の期間をとり、卒業後直ちに役立つ診療放射線技師の育成を目指した。 これにより国家試験合格率は90%以上、就職率も100%を維持でき、有能な診療放射線技師を世に送り出してきました。以上、開学当初を中心に、「学科創設の思い出」として述べさせていただきました。元放射線技術科教授西村 明久放射線技術科創設の思い出

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