川崎医療短期大学 創立50周年記念誌
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当 時:医療保育科 主任Department of Nursing Childcare 2018(平成30)年51 医療保育科は、2005(平成17)年に「医療と保育」を学ぶ日本初の3年制の短期大学の学科として発足しました。取得資格は、保育士からスタートし、2年目からは、幼保一体に対応できるよう発達障害児保育の学修とセットの形で幼稚園教諭二種免許状取得が可能となりました。こうして1年次に座学、2年次に保育実習、3年次前期に教育実習を実施し、病児保育コースと発達障害児保育コースに分かれて学修を進めるという原型ができ上がりました。 教育課程は、保育関係だけでなく、小児科学を中心とする医療の内容を包摂し、オペレッタ発表会など楽しさや感動、人間関係を学ぶ内容も重視しました。教育課程外では、ボランティア活動など「人間をつくる」ことも大切にし、特に2018(平成30)年の西日本豪雨災害では、倉敷市の要請からわずか5時間で、12期生が中心となり延べ150人の預かり保育ボランティアを構築・実施し、川﨑祐宣先生の写真の下、川崎医療短期大学学長に表彰していただきました。 医療保育科最大の試練は3年目からの受験生の減少でした。3年制短期大学の卒業生は、2年制短期大学の卒業生の後輩になってしまうことや4年制大学の増加が原因でした。そこで本学科の特長をいかに出していくかが課題となりました。当時、公立園では発達障害児保育等が求められていたことから「病児・病後児、発達障害児を含むあらゆる子どもに保育を」という学科の理念を明確にし、個々の学生の進路希望を尊重したうえで、難関の「公立保育士」の合格をめざすことを本学科の特長にしていくことにしました。その結果、217名(卒業生828名)が公立園等に就職し、受験生の数も回復しました。 そして、最後の学生を送り出す2018(平成30)年には、本学科開設時の守田学長をお迎えし、全ての期の同窓生が一堂に会した大同窓会も開催することができました。医療保育科は、川崎医療福祉大学の子ども医療福祉学科に改組移行しましたが、保育士養成課程は、医療保育科と連続性を保っています。全ての期の同窓生が一堂に会した大同窓会 ―守田元学長を迎えて川崎医療福祉大学 医療福祉学部 子ども医療福祉学科 教授橋本 勇人 ご挨拶医療保育科

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