5 1973(昭和48)年4月に倉敷市松島に開学した川崎医療短期大学は、2023(令和5)年に創立50周年を迎えました。これまでの歴史を紡いできた関係者の皆様のご努力と地域の皆様のお力添えに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。 これまでの本学の歩みを振り返るために、図書館に保存してある学報や広報誌、記念誌などを読み返してみました。1981(昭和56)年に発行された学報創刊号では、当時の川上亀義学長が「有効適切なコミュニケーションの手立てを講じ、本学の教育推進に向けての深い相互理解と強靭な連帯をゆるがぬように常に心し、努力していかねばならぬ」と記されています。2004(平成16)年に発行された30周年記念誌では、当時の守田哲朗学長が「18歳人口の減少、4年制志向など短期大学の基盤を揺るがすもの」と現在に続く厳しさを既に認識された上で、勝ち残るための叡智を絞る努力に言及されています。更に、40周年当時の山口恒夫学長は、成長期から改革期に向かう状況に論語の「四十而不惑」を踏まえて、これまでの経験に基づいて未来を刻む決意を述べられています。 さて、現在、本学ではこれまでの特徴の一つである伝統的な担任制による教学や就職・進学の支援、いわゆる「面倒見の良い教育」に加えて、学生の多様化や教育方法の変容に合わせた学生支援組織の設置やe-ポートフォリオの導入、オンラインによる授業など、時代に即した教育に取り組んでいます。2学科体制となったことに加えて、2022(令和4)年に開設した新校舎の機能的で充実した施設・設備の効果などにより、これまで以上に教職員の相互理解が深まり、学生本位の教育が実践できるようになりました。 医療福祉の現場は、技術の進展やAIの発展、働き方改革などにより大きな変革の時期を迎えています。世界を震撼させた新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらした医療福祉への影響も忘れることはできません。このような時代の医療福祉を担うために、50周年を迎えるにあたって「教職員が一丸となり、面倒見の良い心温かい教育を継続しながら、進取果敢な精神で一歩先の社会の要請に応えられる専門職を育成する」という決意を新たにしております。 最後になりましたが、50年の伝統を作り上げた卒業生と現役学生、ご指導やご支援をいただいた教職員並びに関係者の皆様に深く感謝を申し上げ、学長挨拶とさせていただきます。川崎医療短期大学 学長秋山 祐治創立50周年にあたり―社会の要請に応える人材育成―
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