川崎医療短期大学 創立50周年記念誌
9/86

6 1973年(昭和48)年4月に、第一看護科、第二看護科、臨床検査科の3学科150人定員で開学した川崎医療短期大学は、2023(令和5)年に創立50周年を迎えました。 この間、「人ひ間とをつくる 体をつくる 医療福祉学をきわめる」という大学の理念のもと本学では10学科および1通信教育部を設置し、多岐にわたる医療福祉専門職の育成に邁進してまいりました。1991(平成3)年に川崎医療福祉大学が開学したことを機に一部の学科が改組移行し、現在では看護学科と医療介護福祉学科の2学科で伝統を引き継いでいます。 最大7学科1通信教育部体制の時期には、在学生が1,000人を超え、学生は所属学科の専門知識・技能を高めるだけでなく、放課後には部活動に参加したり、共同で学園祭に取り組んだりと学科を越えて交流し、切磋琢磨しながら卒業していきました。来学した卒業生の「私たちは、医療短期大学で確固たる川崎スピリットを学び、医療現場で協働するとき何が大事か、揺らがない自分の根源がここにあるように思う」という言葉に、自律した専門職として成長した卒業生の姿に頼もしさを感じました。 さて、本学は2022(令和4)年4月に旧川崎病院跡地である岡山市北区中山下に新校舎棟を開設しました。倉敷の地で活動していた交通安全・防犯活動や犯罪被害者支援活動への参加、献血ボランティアなどは、拠点が岡山市の中心部に移ったことで活動機会が増加し、加えて、行政や事業所等との連携による認知症サポートボランティアや表町周辺地域を対象とした清掃活動への参加など、地域とのかかわりが増加しました。これらの活動を通して幅広い年齢層との直接的な交流が増えることは、医療福祉人としての資質を伸ばすよい機会となっていると考えています。 学生の成長を50年余り支えた松島キャンパスは、旅立ちの季節には仄かな甘い梅の香りが漂い、春には桜の花びらが舞う場所にありました。新校舎では川崎医科大学高齢者医療センターとの間に「こもれびの校庭」と名付けられた緑豊かな路が設けられ、樹木が風に揺れ、四季折々の小花が咲く癒しの空間となっています。松島キャンパスと同様に学生の成長を温かく見守ってくれる、そして思い出となる新たな場所になると思っています。 今後も、私共は大学の理念のもとに常に患者さんや利用者さんのそばに在る良き医療福祉人の育成に励んでまいります。これまで、本学の伝統を築いた卒業生をはじめ、長きにわたって尽力くださった教職員や関係者の方々に感謝申し上げるとともに、これからもご支援を賜りますようお願い申し上げます。―伝統を引き継ぎ未来へ―川崎医療短期大学 副学長新見 明子創立50周年を迎えて

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る