本学では、平成20年の中央教育審議会の答申をうけて、平成22年度に文部科学省大学教育・学生支援事業大学教育推進プログラム「学士力向上のための統合的教育戦略」を開始しました。このプログラムの目的は、大学のユニバーサル化が進むなか、社会が求める学士力(自己研鑽力、技術力、創造力)を有する、臨床・福祉・保育の現場に資する有能な人材を養成することでした。
本プログラムでは、動画e-ラーニングシステムを導入し、学生の学習到達段階にあわせた多段階教育体制をPDCAサイクルに組み込んで構築するとともに、卒業生の追跡調査、社会の求める人材の資質調査、授業評価等の教育効果調査を客観的に行いました。そしてこれらの事業は、IR(インスティチューショナル・リサーチ)を担当する学士力向上委員会を中心に展開していきました。
しかし、この事業を継続させる上で、情報の集中的かつ継続的な解析、調査の効率化、迅速な対応・計画立案、トップダウン体制の徹底が必要となり、平成28年度に学士力向上委員会から、専従職員を配置するIR室へと改組しました。
IR室は教育のみならず、研究、社会貢献等の教員活動全般に係る情報を提供し、PDCAサイクルに基づく提案を行い、情報の分析結果をもとに効果予測を行います。さらにIR室は、正確な情報を根拠として、大学の教育改善、意思決定過程の合理化を含め大学運営の全般を支援し、大学運営計画の効果を最大限に引き出す任を担います。
川崎医療短期大学 IR室長(副学長)
新見 明子